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井更一族

旧暦から続くと言われている家系。トライトンズ長家を絶対とする一族によって構成され、実に数千規模の人間を抱える巨大組織。武器商として太陽系戦争で財を成し、最も繁栄した時期には重機歩兵の開発から製造まで行える工場まで構えた。一大都市にも匹敵する経済力を背景に、地球連合に大きな影響力を持った。

広域連合と欧州連合が統合される際に新憲法にそぐわないとして、組織中枢である財閥解体命令が下り一族は解散、地球の重機歩兵産業を支えていた井更重工だけが国営企業としてしばらく名を残した。

■井更家

トライトンズ家を筆頭に、一族の血縁者は絶対的な権力をもって組織の中枢を成した。

トライトンズ家の血筋は新暦以降のカイケイから辿ることができるが、最も長命だったのはジュウイ=井更。実に120年もの生涯の中で研究者でもあった彼の残したものは、没後の世界にも大きな影響を与え続けている。彼の息子エイジは平凡な男であり、表舞台に立つことはなかったが、井更家最後の当主として名前だけが残っている。財閥解体後、孫のライデンは野に下って連邦国軍で重機歩兵部隊の指揮官となったが、謎の事故死を遂げる。

■井更重工

トライトンズ家に最も近いとされる一家が世襲制で切り盛りしていた重機歩兵製造会社。

広域連合の重機歩兵産業を一社で牛耳るほど強引な経営だったようだが、技術力は突出しており、地球の独立戦争勝利には彼らの下支えがあった事は間違いない。

親元である財閥が解体された後は国営企業として生産設備・開発部門共に残し、ZIXOなどの優秀な重機歩兵を生み出したが、後続の企業の成長を期についに火を消した。

彼らと共に栄えた東方大陸群は、一大企業の消滅と共に衰退の一途をたどっている。

■製品

対人型WIZARDから単騎丙型ZIXOまで、特に取り回しに長けた様々な重機歩兵を生み出してきた。

また重機歩兵操縦に必要な特殊なマンマシンインターフェースも自社開発可能なキャパを持つ、他に類を見ない会社だったと言われる。

彼らの扱う製品の中には世に出回ることはほとんどなかったものの、法に触れるものも数多く存在し、重機歩兵の頭脳となるブレンコア(国管理)やホムンクルス(太陽系法でクローン制作は禁じられている)などがその代表である。

ホムンクルスの存在は現在も確認されており、ナタリーシリーズと呼ばれる女性型のクローン人間が各地に潜伏する井更家関係者を保護するための活動を今も続けていると思われる。

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